経営計画は未来の必要経費
経営を取り巻く環境の変化は激しく、会社の目標を絶えず見直し、商品と顧客のニーズを再検討する必要があります。 経営資源の効率運用を図り、一定の利回りを確保することによって会社経営を継続し、さらには成長・発展させなければなりません。 そのために、経営計画を立てるのです。起業は利益を稼がなくてはなりません。利益とは最終的には会社の存続と従業員の豊かさを実現可能にするための 『未来の必要経費』なのです。
1.経営の「目標」がなければ何も始まらない
会社を経営していくには明確な目標が必要です。しかし、これをきちんと裏づけのある数字で持っているかとなると、実は意外に少ないようです。言葉レベルでいくら目標を掲げても、また根拠のないアバウトな「今期は売上2倍!」といった数値目標の場合には管理のしようがありません。 また、経営者だけが目標を持っていても、全社員がそれを共通して理解しなければ、個人個人がいかに努力しても、ばらばらの方向を向いてしまいます。それでは、効率が悪く、かえって足を引っ張ることにもなりかねません。 経営計画を立てるうえで重要なことは、まずはトップダウンで経営者自らが会社の目標を定め、その達成に向けて会社のあるべき姿を社員全員に示すことです。そして、その目標に向かって社員は各部門ごとに責任者を中心として、どうすればそれを達成できるか考えて、数値の目標を決定しなければなりません。
2.経営計画不要論
「うちは企業規模が小さいから」とか、「下請だから」という理由で経営計画なんて必要がないということもよく耳にしますが、企業規模の大小や事業形態には関係なく、会社を発展させるために、経営計画は必要だという認識が大切なのです。
なぜ経営計画が達成できないのか?
よくある中小企業の事例を取り上げてみましょう。 大変立派な経営企画書が作成されています。 社是→基本理念→経営ビジョン→基本計画→各部門経営目標と階層的、体系的に整理もされています。 しかし、実際の経営実績は全く目標に達成せず、経営計画が活かされていません。 その理由はなぜでしょうか分析してみるとさまざまな問題点が浮き彫りになってきました。
問題点
- 現場を見ると、設備の清掃がされていないため汚れが目に付く、製品や仕掛品にはうっすらと埃がたまっているなど、5Sを全社運動として進めているわりには職場によってバラツキが大きい。
- 現場に聞くと「経営計画書は見たことがないし、実績も見せてもらえない」といった声が聞こえてくる。
- 経営計画の中身を分析してみると、売上高と経常利益が部門別に具体的に示されているが、過去の売上高推移をベースに幹部役員のみで売上第一主義で将来計画が決められていた。基本目標はトップダウンとしても、現場からボトムアップされた情報や数値を取り入れていないため、現場は「上が勝手にやっているだけ」といった感覚に陥ってしまっている。
- 各部門経営目標をどのように現場の改善計画に落とし込んでいるか聞いてみたが、具体的な改善実行計画が作成されていない。
- 月次の幹部役員会で試算表による状況説明があるが、どの改善テーマが結果に影響しているか評価するしくみがなかった。
- 各部門からボトムアップされた数値をもとに作成された計画であるが、過去の実績や未来を想定しておらず、また作成者に利益管理の知識がなかった。
以上のような問題点から、経営計画が“絵に描いた餅”状態になっていたのです。
“絵に描いた餅”にならぬよう、過去の分析をきっちりとしたうえで、未来から見る、現状から見るという目標連鎖による「将来を見据えた利益」を第一主義とした経営計画を立てる必要があります。そして“絵に描いた餅”にならないよう、全社員が日常として経営計画のPDCA(PLAN DO CHECK ACTION)を心掛けるのです。
「FPテラス」とともに経営計画を作成し、目標を達成しましょう!